今年も残すところあと僅か。
2025年、皆様どのような一年でしたでしょうか。
年末と言えば大掃除。
普段なかなか手が回らない場所も綺麗にしたくなります。
では時計はどうでしょうか。
よくよく見れば、汚れが溜まっているかもしれません。
今回は時計本体ではなく、時計のバンドとブレスレットのメンテナンスや長持ちのコツについて。
腕時計は直接身に着ける物です。
汗や皮脂、日焼け止めやハンドクリームなど時計に付着する汚れの原因は多々あります。
その為、綺麗に見えていても意外と汚れが溜まりやすいのです。
汚れをそのままにしておくと臭いの原因になったり、錆や腐食を引き起こす事も。
電池交換やオーバーホールといったメンテナンスを専門店などで依頼すれば、外装の洗浄をセットで行ってくれるところもあります。
しかしそういったメンテナンスを実施するとなると、電池交換ならおよそ2~3年に一回、オーバーホールに関しては3~4年かもう少し間隔が開いてしまうでしょう。
使用頻度にもよりますが、その間にも汚れはたまってしまいます。
そこで、自宅でも簡単にできる時計バンド、ブレスレットのメンテナンスや長持ちのコツ、日々のケアについてご紹介致します。
ステンレススチール製やチタン製のブレスレット。こちらは時計屋さんや修理業者さんに持ち込むと超音波洗浄機でのクリーニングサービス(基本有償です)を受ける事ができます。※お店、業者さんにより提供サービスが異なりますので事前に問い合わせが必要です。
日々のメンテナンスとしては、腕から外した後は付着している汗や皮脂などを柔らかい布で拭き取ってから保管しましょう。
自宅でクリーニングをする時、水や洗剤を使用してクリーニングをする場合は、時計本体部分に水がかからないように注意する必要があります。防水時計であっても経年で防水性能が低下している可能性もありますので、できれば時計本体からブレスレットをはずした方が安心です。中性洗剤を溶かしたぬるま湯にブレスレット全体を浸け、ブラシで優しくこすり洗いをします。(ブラシは使っていない歯ブラシ等でもよいですが、ナイロンや毛などブレスレットを傷つけない柔らかい素材の物がおススメです)洗い終わったら綺麗な水で洗剤や汚れを十分にすすぎます。タオルなどで水分を吸い取り、風通しの良い場所で完全に乾燥させます。水分や洗剤が残ったまま使用すると錆や新たな汚れの原因になってしまいます。
ブレスレットを外せない、水を使うのは不安だ、という場合はブラッシングだけでもある程度汚れを落とせます。
ナイロンや毛のブラシでコマの隙間や本体とブレスレットの間など汚れの気になる所をブラッシングします。ブラッシングの後はブロワーやエアダスターなどで汚れを除去しましょう。


ゴールドやプラチナなど貴金属製の物はキズが付きやすいデリケートな素材の為、できれば購入店やブランドのショップなどで相談するのがよいかと思います。※宝石がついている物などは特に。
メッキが施されている物は状態によって洗浄やブラッシングでメッキが剥げてしまう事がありますので注意が必要です。特に製造から長い時間を経ている物は、見た目によらずメッキが剥がれやすくなっている事が多くあります。
また、長い期間汚れが付着していた部分は汚れを拭き取った後、周りの部分と比べて色が変わっていることもあります。汗や化粧品などの影響を受けやすい点も注意が必要です。普段から小まめに柔らかい布で拭いてあげる等のメンテナンスを続ける事が大事です。
革バンドの場合、基本的に革は水分に弱いので水や洗剤を使った洗浄は難しいです。※一部洗える仕様の革バンドも存在するようです。
その為日常的に「外した後に汗や汚れが付着していたら拭き取る」「革靴などと一緒で毎日ではなくローテーションで使う」という使い方をする事が長持ちさせるコツになります。
最近では自分で簡単にバンドの付け替えができるタイプのものが多くなってきています。何本か用意しておけば、気軽に気分を変えることもできますし、ローテーションで使う事で一本一本を長持ちさせることにつながります。
また、一般的なピンバックルのタイプより折り畳み式のフォールディングバックル(ディプロイメントバックル)を使用するほうが革への負担を減らせます。ピンバックルだと毎回革部分の穴に抜き差しする事になりますが、フォールディングバックルは都度抜き差しの必要がないためです。

しかしいくらお手入れをしていても長く使用すればやはり劣化は免れません。 傷みが目立ってきたら交換しましょう。
ダイバーウォッチなどで多く採用されているラバー/ウレタンタイプのバンド。
こちらは水に強い素材ですので水拭きでも表面の汚れを拭き取る事が出来ます。
タオルや柔らかい布を濡らし、良く絞ってからバンドの表面を拭き取りましょう。細かい部分の汚れ等が気になった場合でも、固い尖った物などを当てると傷がつきますのでご注意ください。また、拭き取りの際に表面に砂粒などの異物が付着したままこすってしまうと傷の原因になります。
※表面にロゴなどがプリントされているものは拭き取り時に摩耗でとれてしまう事があるので注意が必要です。
水に強いとは言え濡れたまま放置すると劣化の原因になります。綺麗にした後は必ず乾いた柔らかい布で水分を拭き取り、風通しの良い所で乾燥させましょう。※直射日光やドライヤーをあてるなど高温下に置くと劣化の原因になります。
しかし日々のメンテンナスを怠らなくても、紫外線による劣化や長期間の保管/使用による経年劣化は進んでしまいます。表面にテカリやベタツキが出てきたり、硬化が始まってきたら交換をご検討下さい。(経年/日々の使用により表面に細かいヒビが出てきたり、固くなり柔軟性がなくなってきます)

ウレタンやシリコン、ラバーのバンドで白や明るい色のものは着色汚れが気になる事があります。しかし素材の特性上、一度ついた着色汚れはとれない場合があります。色移りのする物(衣類やバッグなど)と一緒に使う時は注意が必要です。
NATOストラップ(NATOタイプ)ナイロン素材のバンド。こちらは基本的に引き通しタイプなので簡単に本体からバンドを外す事ができ、お手入れがしやすいと言えるでしょう。
色、柄、素材など多種多様です。時計への脱着は容易なので数種類を使いまわすことも可能です。


外したら中性洗剤を薄めた水やぬるま湯などで揉み洗いをし、泡がでなくなるまでよくすすいだらタオルなどで水気を吸い取り風通しの良い場所で乾燥させましょう。直射日光やドライヤーでの乾燥は劣化を早めますのでご注意ください。定期的に洗浄を行えば清潔に使うことができますが、長く使う事で起きる劣化は防げません。ほつれや傷みが顕著になってきたら新しいバンドに交換しましょう。
以上 「自宅でできる時計バンドのメンテナンス について」でした。
注:上記内容に関しては、自宅で時計バンドのメンテナンスを行う際のアドバイスとして掲載しております。基本的には各メーカー推奨のメンテナンス方法で行っていただくのが間違いないと思います。ご自身で行う場合は万一生じる不具合に関しては自己責任にてお願いします。
自分でやるのは不安、面倒、という方はご相談下さい。
三立舎では時計のクリーニング、ブレスレット洗浄などのメンテナンスも承っております。(革、ナイロン、ゴム素材など金属製以外の物に関しては承っておりません)※その他メッキ製品、装飾品がついている製品などは状態により洗浄できないものもあります。
お問い合わせは概算見積り依頼フォームからお気軽にどうぞ。↓


